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屋台について |
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寒さが身にしみる真冬の夜、静まりかえった寂しい街角でラーメン屋台を見つけるとなぜかうれしくなってしまったり…。子供の頃、チャルメラの音が聴こえると家族4人分のラーメンを蒸かし鍋持って買いに行かされたという懐かしい記憶があります。
屋台は時代劇でお馴染みの担ぐタイプが起源らしく、「夜鳴きそば」「夜鳴きうどん」と呼ばれ夜の商売人を相手に明け方まで営業していたそうな。関東大震災後、固定式屋台が数多く見られるようになり、支那そばやてんぷら、おでん、すしなどいろいろな食べ物が提供されていたと言われています。
現在の移動式屋台のルーツは戦後の闇市というのが一般的で、戦災者、引き揚げ者などが生活手段として屋台を営んでいたようです。現在に名を残す有名ラーメン店経営者の中には、屋台営業からはじめた方も少なくありません。屋台のピークは1953年から1960年ごろとあり、東京オリンピックを境にして激減しているそうです。国際化に向けて都市の美観を良くしようと法律上の整備がなされ、行政からの圧力によって屋台は一代限りの既得権しか認められず、高齢化による廃業などによって年々屋台は減少する傾向にあります。
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屋台営業の採算性 |
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屋台が儲かるか、儲からないか?商売である以上利益を出さなければ、それこそ絵に描いた餅となってしまいます。ラーメンの価格はそれこそお客さんが決めるものと思いますが、個人的解釈としてはラーメン=ファーストフードの類であると思っており、その性質から考えると出来れば一杯400円あたりの価格設定を提供できたらと考えています。しかし調べてみると屋台営業の場合は一般の店とは異なり、経営効率が非常に悪くラーメン1杯少なくとも600円以上の値段を設定する必要があると言われています。さらに配達などでポリ容器を使う場合は800円以上の料金を設定する必要ありとも…
ラーメン屋を営む場合、一般的に1日100食は売る必要があると言われています。屋台の場合でもやはり1日100食がボーダーラインのようで、ラーメン1杯あたりの粗利益は300円程度となります。天候の問題などで営業出来ない日もあるので、月20日間営業と考えると、1日100食をコンスタント売ることが出来て月60万円。しかし光熱費などの必要経費や食材用意と売れ具合に関わるロスなどを加味すると純利益は月30万程度が予想されるところです。季節的には夏場はあまり売れないなどの営業リスク等を考えると、屋台で営業する場合は最大限頑張って工夫した場合の純利益が月30万円程度と考える必要があります。従ってさらに味を追求し、ロスを減らすなど経営効率を工夫し、チラシを配って携帯電話で出前注文を受けるなどの営業努力は、屋台営業にとって必須最低条件と思われます。月収30万円プラスαを狙うか、赤黒スレスレになるかは、味に対する追求を怠らない事と経営的才能と努力にかかっていることは間違いないようです。
しかし屋台営業にもメリットは必ずあるはずで、通常のラーメン店に無い機動性も使い方によって大きな武器となると思います。営業場所の選定は赤黒経営(死活問題)の要となるそうで、ある程度の期間カットアンドトライで様子を見る必要があるとのことです。最近はフランス料理、イタリヤ料理など屋台もあると聞きますが、ケータリング要素を含めた新形態ラーメン屋の可能性をこの屋台経営に強く感じる今日この頃です。
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屋台営業形態について |
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屋台開業を考えた時、大きく分けると屋台(方式)と軽トラック改造(方式)があります。現在は後者の方が多く見られるようです。
■屋台方式
これはご存知人力による引き屋台を示す。屋台そのものは東京または大阪の道具屋街で特注で作ってもらえるようです。費用は50万円から80万円程度。屋台製作の専門店として、(株)タクミという会社が埼玉・所沢市にあります。またムラマツ車輌では、屋台及び備品一式含めて80万円で通信販売しています。屋台用の道具は東京・藤田道具や大阪・山下金物で取扱っているそうで、一式10〜20万円で揃えられます。東京都大田区には鳳食品と言う会社があるそうで、こちらでは約1ヶ月ほど修行をしてその後屋台を1つ任される形態で事業拡大していくらしい。企業として、フランチャイズ化して夜間使われない駐車場を借り受けたり、合法的に場所の確保をするというところで屋台経営の弱いところをカバーするシステムなのですね。
(株)タクミ システム事業部(リンク切れ)
埼玉県所沢市北秋津696 TEL:042-998-3211
http://www.takumi-mfg.co.jp/tokorozawa.htm
藤田道具(株)
(株)山下金物 |
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ムラマツ車輌 |
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■軽トラ改造方式
北秀建販という会社で軽トラ屋台を製作して戴けます。正確な値段は調べていませんが、車両費込みで300万円と言うところです。保健所の許可、陸運局の許可を得ることを考えるとこうした専門業者にお願いした方が良いかもしれません。写真の「全自動式屋台」は骨組みが軽量鉄骨、内外壁や屋根は衛生面
に配慮してステンレス製。店舗部分は二重構造になっており、簡単にスペースを1.5倍に拡大できるそうです。内部には水を入れるタンクなど必要設備も整っています。
屋台方式に比べ軽トラック方式の方が、機動性がある分有利と思います。資金に余裕があればこちらを検討したいところですね。
(株)北秀建販
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(株)テクノクラフト |
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屋台運営 |
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・許可
屋台営業は、食品衛生法に基づく保健所の営業許可や道路交通法に基づく警察署の道路使用許可が必要で、これらは定期的に更新しなければなりません。出店場所、路線は許可申請時に指定する(される?)ことになります。
・経費
福岡の場合、食品衛生法に基づく営業許可の更新手数料は5600円(4年毎)です。警察署の道路使用許可の更新手数料は2ヶ月ごとに2000円です。清流公園内の屋台は福岡市公園条例に基づく公園使用料が毎月8000円ですが、市が屋台用の水道を設置し、その基本料金は市が払っています。
仙台の場合は、食品衛生法に基づく営業許可の更新手数料は21000円(5年毎)、警察署の道路使用許可の更新手数料は6ヶ月ごとに2000円です。
・出店形態等
許可される占有面積は、福岡では間口3m、奥行き2.5m、仙台では間口2.7m、奥行き2.5mとなります。屋台を勝手に大きくしたり、屋台の外に道具類、テーブル、洗い場、七輪などを置くのは違反です。
給水はほとんどは貯め水を使用しますが、場所によっては隣接上水道施設から給水できるところもあります。排水は無整備状態。トイレは公園内の公衆トイレ、隣接ビルとの個別契約?により確保等でまかなわれます。電気は福岡・仙台とも道路上に整備されています。営業時間帯は日没時刻からよく早朝まで(仙台は条例で24:00まで)となります。
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屋台営業、その一番気になるところ |
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屋台経営を考えた時、ちょっと気になるのが俗に言う「ショバ代」です。地方・地域ごとにそのシステムは異なると思うのですが、こういうことまで考えておく必要が有るのか無いのか?有るとすれば相場としてどの程度上納する必要が有るのか??現場の方で無い限り知る由も有りませんので実際にプロの方にお伺いしてみましたが、その方は今まで一切そういった類のお金は払った経験はないとのことでした。地域によってその慣習等に違いがあるようで、場所によってはショバ代が必要になる場合もあるらしいです。暴対法が出来た当初は良く私服警察官が立ち寄ったそうですが、警察が道路不正使用で切符を切りに来ることもたまにあり、これがいわゆる上納金のようなもの?だったかどうかは定かではありません。
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